今回はアイアン・メイデンの「第七の予言(Seventh Son of a Seventh Son)」を紹介します。
そもそもアイアン・メイデンとの出会いは、
高校生の時でベースを始める前にミュージック・ライフでのインタビュー記事だったと思います。
多分、「キラーズ」の頃ですかね。
そのころは特にヘヴィーメタルに興味もなくスルーしていたのですが、
その数年後、あることがきっかけでアイアン・メイデンの中野サンプラザ公演を観に行くことになりました。
恐らく、このときが初アイアン・メイデンでした。
「死霊復活(Live After Death)」の頃です。
すでにベースを弾いていましたが、
スティーブ・ハリスのベースにやられてしまいましたね。
それまでは、イエスのクリス・スクワイヤやラッシュのゲディ・リーなど、
リッケンバッカーをゴリゴリ弾くベーシストに影響されていましたが、
スティーブ・ハリスのアタックの効いたベースの音は、
改めて自分のベースサウンドを見直すきっかけになりました。
その後、しばらくして(多分4~5年後)、
知り合いのミュージシャンが「第七の予言」のCDを貸してくれて、
久々にアイアン・メイデンを聴いたのですが、
本当にカッコよくて、当時カセットに録音したものの結局、CDを買いました。
それから、改めてアイアン・メイデンの過去の作品を聴くことになるのですが、
「第七の予言」に言えることは
全体的にコンセプトアルバムのような構成をなっており、
最初から最後まで捨て曲が無いんですよ。
だから、一気に聴けるアルバムですね。
元々、アイアン・メイデンは大曲(といっても20分の曲ではないですよ)が収録されているアルバムがあり、
この「第七の予言」でもタイトル曲が大曲となっています。
当時、ヘヴィーメタルとプログレッシブロックの接点が全く分からなかったのですが、
よくよく考えてみるとイギリスではイエスやジェネシスが当たり前にあった環境のなかで、
たとえジャンルがヘヴィーメタルとは言え、プログレッシブロック的な要素が入るのは当然のことだなと感じます。
スティーブ・ハリスのベーススタイルにしても、
イエスのクリス・スクワイヤやザ・フーのジョン・エントウィッスルの影響を感じます。
日本では、残念ながら、このような音楽環境が無いので、
アメリカやイギリスをはじめとするヨーロッパ諸国では、
プログレッシブロックもポピュラーミュージックとして流れていたのが羨ましいし、
当然のことながら、自身の音楽に影響を与えますよね。
ちなみにこのアルバムですが、
アイアン・メイデンの7枚目のアルバムということで、
「第七の予言(Seventh Son of a Seventh Son)」にしたそうです。
その後、11枚目のアルバムが「ヴァーチャル・イレヴン(VIRTUAL XI)」ですから、
作品の順番でタイトルを決めているのもわかる気がします。
さて曲紹介をしましょうか。
1.ムーンチャイルド - Moonchild
ブルース・ディッキンソンのボーカルとアコースティックギターから始まり、
シンセサイザーのイントロからヘヴィーなイントロへ変わります。
この展開は、通り一辺倒なメタルとは違います。
その後は、いつものメイデン節になりますけど。
2.インフィニット・ドリームス - Infinite Dreams
この曲はスローテンポですが、
何と言ってもスティーブ・ハリスのベースがいいですね。
やっぱりスティーブ・ハリスによる曲なのでベース中心で考えているんでしょうか。
あと、ツインギターによる間奏もカッコいいです!
3.キャン・アイ・プレイ・ウィズ・マッドネス - Can I Play with Madness
一転して、キャッチーな感じの曲です。
ギターのエイドリアン・スミスが中心となって作られている曲です。
エイドリアン・スミスは、このアルバムで脱退(のちに復活)をしていますが
やりたい方向性が違ったんでしょうかね?
とは言え、スティーブ・ハリスも作曲に関わっているので、
カッコいい展開となっています。
4.ジ・イーヴル・ザット・メン・ドゥ - The Evil That Men Do
この曲もエイドリアン・スミスが中心となって作られています。
スローなイントロから始まりますが、
やはりキャッチーな感じの曲になっています。
いつものメイデン節ですが、
スティーブ・ハリスのドットコドットコというリズムのベースラインがカッコいいですね。
5.第七の予言 - Seventh Son of a Seventh Son
表題の曲です。
スティーブ・ハリスの作曲ですが、
10分弱の大曲でプログレ的な展開になっています。
また、シンセサイザーも要所要所で効果的に使われています。
元々、プログレが好きだった私としては、一番気に入っている曲です。
曲だけを聴くと、当たり前のようにアイアン・メイデンなんですが、
曲のドラマチックな展開にイエスやジェネシスを感じるのは私だけなんでしょうか?
今聴いても感動します。
でも、いわゆるメタルファンには評判が悪いかもしれないですね。
スティーブ・ハリスとしては、そんなことに関係なく作曲しているんでしょうけど・・・
6.ザ・プロフェシー - The Prophecy
ギターのデイブ・マーレイが中心となって作っています。
スローな曲ですが、途中の展開がいいです。
特に最後の牧歌的なアコースティックギターは、
イギリスのトラッドミュージックを感じさせますね。
7.透視能力者 - The Clairvoyant
スティーブ・ハリスのベースのベースから始まる曲です。
作曲はスティーブ・ハリス。
実は、この曲が一番好きかもしれないです。
というのは、最初に聴いたときに、
イントロのベースをコピーしましたからね。
未だに演奏したことが無い曲ですが、
セッションなどで弾く機会があればと思います。
8.オンリー・ザ・グッド・ダイ・ヤング - Only the Good Die Young
ラストはディッキンソンとハリスによる曲です。
曲自体は、いかにもというメイデン節ですが、
中間のギターソロとベースソロがカッコいいです。
そして、最後に1曲目のイントロに戻るところが、
昔のプログレ系のコンセプトアルバムを思わせます。
思い出しましたが、NHKのBSで、このころのライブを放映していました。
その後に放映されたのは、セパルトゥラでしたけど。
(セパルトゥラを初めて知るきっかけになりました)
で、その数年後ですかね、
レーザーディスク(懐かしい)を見つけて買っちゃいました。
レーザーディスクと同じ内容かわかりませんが、
Youtubeにアップされていました。
アイアン・メイデンのアルバムは、LPやCDでほぼ全部そろえていますが、
やっぱり、自分の中では、この「第七の予言(Seventh Son of a Seventh Son)」が一番ですね。
勝手な想像ですが、そもそもプログレファンはアイアン・メイデンを聴かないし、
メタルファンにとっては、プログレ的な雰囲気が気に入らないという中途半端なアルバムということなんでしょうか?
そんな先入観を捨てて聴いてほしいアルバムです!