アラン・ホールズワース ロード・ゲームス Road Games

有名なのに無名というかポピュラーではないミュージシャンっていますよね。

その一人がアラン・ホールズワースだと思います。

 

ギタリストやミュージシャンなら知っているとは思うものの、一般のリスナーは聴いたことがある人が少数かもしれないですね。

 

2017年に残念ながら亡くなったのですが、一般のニュースでは流れない(当たり前ですけど)ので、知人のギタリストに聞くまで知らなくて、聞いたときにはショックでした。

 

ちなみにこちらの記事(アラン・ホールズワースの訃報を受けて多くのミュージシャンが追悼の意を表明)には有名ミュージシャンのコメントが載っています。

 

そのアラン・ホールズワースの「ロード・ゲームス」を紹介します。

「ロード・ゲームス」は1983年に発売されたLPではなくEPです。

元々、ビル・ブラフォードのバンドやUKでのプレイは聴いていたもののソロアルバムで最初に聴いたのが「ロード・ゲームス」です。

すでに発売から40年近くなりますが、今聴いても新鮮なアルバムだと思います。

 

 

当時(1983年頃)働いていたアルバイト先にはアマチュアミュージシャンが沢山いまして、まだベースを始めたばかりのころの自分にとって色々と勉強をさせてもらえる環境でもあったのですが、プログレが好きだとか色々と話していたら、ある人が「ロード・ゲームス」のEPをくれまして、それで聴きまくりました。

 

なんと言ってもベースがブラフォードのジェフ・バーリンという好きなベーシストだったものの、ドラムがブラフォードでなかったのが残念と思っていましたが、(後述しますが)しばらくしてチャド・ワッカーマンの良さがわかってきました(笑)。

 

プロデュースは、あのエドワード・ヴァン・ヘイレンです。

エドワード・ヴァン・ヘイレンはホールズワースのギターを両手じゃないと弾けないからライトハンドを始めたみたいに言ってましたけど。

 

ゲストメンバーではジャック・ブルース(好きなベーシストのひとりです)も参加していて、とにかく曲のクォリティが高いです。

 

このアルバムではシンセサイザー(キーボード)を一切使っていないところもすごいところです。

当時はかなり高額だったハーモナイザーを使うことでシンセっぽい音色を出しています。

 

どの曲も捨てがたく1曲目からやられてしまうものの、個人的に好きなのは、ほどんどジェフ・バーリンのベースソロとなっている「ウォーター・オン・ザ・ブレイン・パートII (Water on the Brain Pt. II)」、ジャック・ブルースがヴォーカルの「ワズ・ゼア? (Was There?)」、「マテリアル・リアル(Material Real)」ですね。

なお、ジャック・ブルースをボーカルにしたのはレコード会社の意向のようです。

とは言え、結果としては良かったと思いますよ。

 

まず、「ウォーター・オン・ザ・ブレイン・パートII」 のベースソロ。

何度もコピーに挑戦しようと思い断念していますが感動モノのベースソロです。

(全然、ホールズワースと関係なくてすみません)

 

「ワズ・ゼア? 」と「マテリアル・リアル」の2曲はジェフ・バーリンのフェイバリットミュージシャンであるジャック・ブルース(クリーム)との競演(レコーディングでは別だと思いますけど)というが面白いところだと思います。

ちなみにジェフ・バーリンはソロアルバムでクリームのクロス・ロードを演奏(歌も)しています。

(ジェフ・バーリンについても機会があったら書きたいと思います)

 

ちなみに本来のメインボーカルであるポール・ウィリアムスはかつてホールズワースが参加していたテンペストのボーカルでした。

 

この記事を書くにあたりWikiを見たのですが、なんとグラミー賞にもノミネートされていたようです。

ところが肝心のホールズワースは「私が作ってきたレコードの中でも最悪な物の一つ」「メジャー・レーベルとの契約をずっと待ってみたところで、いざ契約してみれば、レーベルの連中は自分がやりたいことをやらせてくれないものさ」なんて語っていたようです。

 

客観的に聴いてもいいアルバムなんですけどね。

 

ちなみにチャド・ワッカーマンのドラムプレイですが、最初に聴いたときの良さが全く分からなかったものの、自分がバンドでプレイしたり作曲をしてきたら、これってまともじゃないなーと思いました。

改めて聴いてみるとドラムソロっぽいプレイが多くて、逆によく合わせられるなーとも思っています。

やっぱりフランク・ザッパファミリーなんだなーと(笑)。

 

その後、メタル・ファティーグ Metal Fatigueの発表後、初来日公演があり観に行きました。

ベースがジェフ・バーリンではなくジミー・ジョンソンでしたけど演奏に感動しました。

ホールズワースがハーモナイザーとペダルを使ってオーケストラルなサウンドを出していたのですが、その影響を受け、のちにBossのピッチシフターを購入してペースでオーケストラルなサウンドを出したりしていました(笑)。

 

収録曲

1.スリー・シーツ・トゥ・ザ・ウィンド - "Three Sheets to the Wind" - 4:14
2.ロード・ゲームス - "Road Games" - 4:14
3.ウォーター・オン・ザ・ブレイン・パートII - "Water on the Brain Pt. II" - 2:49
4.東京ドリーム - "Tokyo Dream" - 4:04
5.ワズ・ゼア? - "Was There?" - 4:09
6.マテリアル・リアル - "Material Real" - 4:41

 

参加メンバー

アラン・ホールズワース - ギター
ジェフ・バーリン - ベース
チャド・ワッカーマン - ドラムス

 

ゲスト

ポール・ウィリアムス - ボーカル(on #2)
ジャック・ブルース - ボーカル(on #5, #6)
ポール・コーダ - バッキング・ボーカル
ジョー・トゥラーノ - バッキング・ボーカル

 

本当は一般リスナーを含め色々な人に聴いてもらいたいアルバムですが、やはり楽器を演奏している(したことがある)人が聴いたほうがより理解できるアルバムかなと思います。

 

 

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