ショパン・ノクターン16番

ショパンのノクターン16番を暗譜しようとしています。

 

前奏曲などとは違い、ノクターンやワルツは作者が死んで「このタイトルの曲数はこれ以上絶対に増えない」となった時に初めて「この曲は何番、こっちは何番」ってのが出版社によって決まるわけでしょう。

ベートーヴェンをはじめとするソナタなどもそうですね。

だから生前には曲集としての番号はつかない、当たり前ですが。

大げさなものを好む若い時と違って、ショパンのほとんどのノクターンは嫌いになっている現在です。

ノクターンってゆったりしたテンポなので、「ノクターンが大げさ?」と疑問に思うかもしれませんけど。

若くて死んだショパンの曲ってかなり大げさすぎるものが多いんですよね。

だからノクターンも未熟だったり大げさだったり。

 

そういう中で曖昧模糊としている16番や17番は、現在の自分の最も好む雰囲気です。

16番はガキの頃から一番好きでしたし。

クラシックに限らず、また音楽に限らず、あまりにその道にはまりすぎはじめた素人さんの知識自慢さんは融通が利かなくてだいたいは自分にとってすんげ〜苦手なんですよね。

なんか性格がせせこましくてイライラするんで。

古典の場合、扱う楽譜が原典版かどうかをすんげ〜気にする人が多くて。

原典だろうが編集モノだろうが、んなもんはど〜でもえぇやろ。

おかしいと思えば自分の判断で変えればいい。

たとえ作曲者本人の手書きの楽譜だとしても、そこに記されている記述(楽譜なら音符情報など)が必ず作者の頭の中で鳴っている情報として間違いなくきちんと正確に記されているわけではない、というのがアホ演奏家やスカしたド素人には理解できないらしくて。

テメェの頭で判断しろや!

ちゃんとした演奏もできねぇくせしてチマチマと原典版にこだわってんぢゃねぇ!

・・・という持論はおいといて。

 

たぶん人々が原典版に拘るのは、「正確さを求める」という言い訳をしているだけで、実際には作曲者本人が手ずから書いたモノに近いだろうという理由から作曲者本人と直接知り合いになれているような錯覚を引き起こしつっまんねぇ自惚れのエゴ心を満足させてくれるからではないか?、と思いますしね。

とにかく。

ショパンは楽譜に使用されている紙質のチープさから、自分が若い頃はポーランドで印刷されたパデレフスキ編集の楽譜が好かれていて、自分もそれを使っていたのですが。

ページをめくる時の紙面への指の引っ掛かり具合が良かったし、和紙にも似て紙全体に柔らかさがあったのです。

 

でも。

ポーランド印刷のパデレフスキ版は製本もチープで10年以上使用すると綴じが崩壊して、楽譜がボロボロになってきていたんですよね。

それが、35年ほど前のポーランド紛争あたりから紙質が変わり、紙質が良くなったのか紙にザラつきがなくなってページのめくりやすさもなくなっちゃって、そういう点ではパデレフスキ版にこだわる必要もなくなったし。

現在のパデレフスキ版はポーランド印刷ではなく、たぶん日本国内で印刷されているんじゃないかと思われ、ますますパデレフスキ版の「めくりやすい」という楽譜の価値は低減しているとも言えますけど。

自分には長年慣れたものなんでパデレフスキ版を贔屓しているのですけどね。

紙面の使い方が大まかなんで見やすいし。

 

で。

数日前からネットでダウンロードした無料のミクリ編集のものを使ってみているのです。

 

 

Padで見ることができるので。

パデレフスキ版をスキャンして自分でPDFにすればいいんですけど、めんどくさいんで無料版をまず使ってみようと。

 

で。

編集者によって楽譜の扱い方が作曲者とは違うので。

ミクリ版とパデレフスキ版の違い、何箇所か見つかりました。

次の画像のマーク位置、これは音自体がパデレフスキ版と違ったりしている点で音の響きも変わっちゃうけど。

 

 

次も同様。

 

 

パデレフスキ版は巻末に「あの版ではこう、その版ではこう」とかなり詳細に記されてますし、まぁ長年使ってきたパデレフスキ版の音に変更して練習することにして。

このミクリ版は出版社の「紙面を節約しよう」(大概の楽譜出版社がそうしています)として音符と音符の間隔を狭くして、パデレフスキ版では5ページにしているこの曲を、ミクリ版では4ページに収めています。

 

 

ページ数が少なくなるのはページをめくる回数を少なくでき、ページをめくるストレスを減らすことができるのですけど。

結局はせせこましい狭さの楽譜を読むストレスの方がストレスの度合いがデカいだろと自分は思うんですよね。

ページをめくる回数が多いストレスの方がずっとマシ。

音楽を暗記していくためにはストレスを減らすのがいい。

読みやすい方がいいに決まってる。

 

まぁパデレフスキ版で十分に練習したと思うんで。

このあとはこのミクリ版もうまく活用しようかと考えています。

実際には「今日はこっち、明日はあっち」とやると脳みその混乱の原因になるとも予測されるんでやめた方がいいとはわかっちゃいますけどね。

 

ちょっとためしてみます。

Related

  • 2019.11.20 音楽

    「4つのVocalise」トリオ譜

    カネにはならんけど。自分はいつも忙しいの ... 続きを読む
  • No Image

    2019.11.30 音楽

    ソルフェージュについて

    いつも思いつきはたくさんありますけど。今 ... 続きを読む
  • 2019.02.16 音楽

    初投稿 トイピアノ

    こんちは!Rockzaemonです。初め ... 続きを読む
  • 2019.07.15 音楽

    ハ短調パルティータ序曲

    バッハの曲には心惹かれるものがいっぱいあ ... 続きを読む
  • 2019.11.25 音楽

    ピアノ弾きの手

    プロになろうとするとき、アマチュアではな ... 続きを読む

Live Schedule

一覧はこちら
露久左庵音楽出版